スキルアップ

マレーシアでの経験を踏まえて考えるグリーフケアの意義

みなさん、こんにちは!
動物医療グリーフケアアドバイザー・獣医師の阿部美奈子です。
今回はグリーフケアの意義について簡単にご紹介させていただきます。

過去の経験とグリーフケアの意義について

私は、マレーシアに暮らしておりますが、コロナで制限されるまでの10年間は、日本とマレーシアの遠距離通勤を楽しんでいました。マレーシアは多民族多宗教国家。イスラム教、ヒンズー教、仏教、キリスト教という異なる宗教観を持つ人々でマレーシア人を構成、そこに私のような外国人も仕事や教育で大勢来ているとてもユニークな国です。外を歩いていると目や肌の色、髪の色やスタイル、顔つきや体格、服装(宗教によって違います)など「違い」が当たり前の日常。個々の宗教観や価値観をしっかり持つ人々の集まりだと相手と壁を作ったり否定しがちですが、ここには笑顔が溢れている、それは他者を受けいれたり許したり認めることができるからなのです。

また、地域には犬や猫の自由に生きる姿があり、のびのびとした表情でマイペースな生活スタイルを見るたびに、動物との共生を自然だと考えるマレーシアという環境に私の心が癒されています。そのほか、マレーシアの魅力はなんといっても野生動物がいるジャングルやウミガメや熱帯魚の生息する海。自然界の動物のありのままにまっすぐ生きる姿は私に「動物の目から景色を見て共感すること」の大切さを教えてくれたのです。ペットとは地球上の動物のなかで人にご縁のあった動物を意味します。

日本では医療が高度に発展し幸せを産む一方でどうしても人の目線や病気中心の治療となってしまうためにペットの心が怯えてしまう状況が生まれています。このようなペットへ「グリーフケア」を実践することで笑顔にすることができます。
ペットを幸せにするためにはペットとの共感が大切。
ペットの目から景色を見て「グリーフ」に気づき「グリーフケア」を実践する人材が求められています。私はペットが出会った人とのハッピーライフを全うするために動物医療グリーフケアを作りました。
これからの動物医療では動物看護師が中心となり担っていただきたい役割です。

最後に・・・

動物看護師になるという人生の夢を実現した皆様!
これから動物病院で自分の想像や期待と少し違った世界だと感じ不安になるかもしれません。これも自然な「グリーフ」ですが、「グリーフ」への免疫力を高めていくことはとても重要です。みなさん、一人一人にとっても動物医療グリーフケアがお守りとなるでしょう。「病気」が主役ではなく病気を持つ「ペット」を主役としてどんなときも味方として認められる動物看護師を目指してください。私も応援します。

阿部 美奈子先⽣
専⾨:動物医療グリーフケア/カウンセリング
所属:合同会社Always
動物医療グリーフケアアドバイザー/獣医師
マレーシア在